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絵画投資と作品評価の基準

 絵画を含む美術品の価値をどのように判断するかは非常にデリケートな問題であります。なぜならば、美術品の市場価値は非常にさまざまな要因から成り立っており学術的、美術的価値観とはことなる場合も多いからです。それらの幾つかは下記のようなものであります。

  作品の出来映え
1、作品の制作年代と作品の人気
2、作品の大きさ
3、署名の有無
4、市場に存在する作品の数
5、作品の保存状態
6、作品の来歴
7、カタログレゾネ
8、額縁
9、市場規模
10、絵画投資はなりたつのでしょうか?
その他の要因

1、作品の制作年代と作品の人気
↓次↓

 概して若い時の作品には暗い作品が多く歳をとってからの作品にはやや力強さが見られない傾向があります。私が以前現存作家の個展を毎月のように開催していた時に”照明がたりない”と言われる作家の方が幾人かいらっしゃいましたがそれは”照明がたりない”のではなく作家の作品が暗かったのです。パリの知人の多くが画家の方でしたが屋外ではすばらしく良く見えた作品が屋内の壁に掛けたとたん”照明がたりない”と感じる作品、一方、一見地味な作品なのに薄暗い電球のパリの部屋に掛けると作品の美しさを放つ作品もありました。日本、洋画を問わず作家が自らのスタイルを完成させた作品は明るい光りを放ちはじめます。その後も作品は変化してゆきますからどの時代の作品が製作数が多いのか、少ないのか、どの時代の作品の需要が多いのかも知っておく必要があります。
この数年間に価格の上昇した作品にピカソ、モネがあります。これらの作品には日本のバブル期よりも高額になっているものが多く見受けられます。

 他方、国内で数千万円もしたヴラマンクの作品は1990年に欧米のオークションで120数点の作品が落札され、中でも数少ないフォーブ時代の作品には14億円もの価格がついたものもありました。しかも、ヴラマンクのフォーブ、セザニアン時代を除く普通の作品の落札平均価格は20万USドルに達しましたが過去20年間全体では落札平均は9万USドルを下回り、最高落札価格でも50万USドル弱であります。国内で多く販売された作品はこの普通の時代の作品が多く見られました。グラフ1)
Le hameau sous la neige
「雪の小さな農村」
Oil on Canvas, 65 x 81 cm、
Christie's London: 1989/4/4,
約¥4,000万円
(289,916 US$ で落札<手数料含む>
Estimationは 221,050 -255,058 US$。
Bouquet de fleurs 「花」
Sotheby's London:1989/4/5
約 ¥2,000万円
(Estimationは ¥830 - 1070万円)

 1905年頃から数年間に渡るフォービズム時代の作品は1990年においても落札点数では9点、落札平均価格は350万USドルとヴラマンクの通常作品の15倍以上の価格で落札され現在でも価格は上昇しています。
 ヴラマンクの作品で過去最高価格で落札されフォーヴ時代の作品”ナンテールの釣り人”(左)。過去1000万US$をこえた作品は下記のシャトーのセーヌと共に2点にすぎません。グラフ3

Les pecheurs a nanterre
(ナンテールの釣り人),
1905, 81 x 100 cm,
1990/3/25, Sotheby's London:
14億3000万円



注、C/NはChristie's: New York、
C/LはChristie's:London
S/NはSotheby's: New York ,
S/LはSotheby's:London

La seine a chatou (シャトーのセーヌ),
1906, 74.0 x 91.5 cm、
1989/11/14, C/Nにて $ 715万ドルにて落札、2002/2/4, C/Lにて 715万ポンド( $ 1,010万US$=12億円、で落札された。
 フォービズム時代の後1908年ころから数年間制作されたセザニアン時代の作品は1990年では落札点数で20点、落札平均価格は35万USドル弱でした。価格動向はグラフ2
Les Coteaux de Marly「マルリーの丘」
1910, 65.5 x 81 cm,
S/N ,1990/2/26, ¥ 8,300万円
(632,500 US$)
Estimaition (250,000 - 350,000 US$)

 ヴラマンクほど日本国内で市場価格の大きな変動が見られた作家も少なくありません。これはどこに起因するのでしょうか? 
ピカソの油彩作品は過去20年間に約1300点がオークションに出品され約71%が落札されており、ヴラマンクの油彩作品は約1900点がオークションに出品され65%が落札されています。ヴラマンクは決して人気の悪い作家ではないのです。ブラマンクは大変精力的に作品を制作した作家で日本ではフランスの風景作家として大変親しまれており日本の佐伯祐三などに大きな影響を与えています、バブル前からフランス及び日本では人気の高い作家であります。

Vlaminckの通一般作品、 フォービズム時代,セザニアン時代作品の落札推移比較
グラフ(1) <グラフをクリック拡大>  グラフ(2) セザニアン時代の作品 グラフ (3)フォービズム時代の作品
グラフをクリックすると画像を拡大します。Click on any photo to see an enlarged version
Vla_n_graphe.jpg
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Vla_Fau_graphe.jpg
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 これらの数値及びグラフから解ることはヴラマンクの作品で数パーセントを占めるフォービズム時代の作品の過去20年間のオークション落札高が全体の50%弱を占めていると言うことであります。逆に普通の時代の作品は出品率80数パーセントを占めながら落札高ではフォービズムに及ばないことであります。

2 作品の大きさ
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 通常はやはり大きな作品が小さな作品より高くなります。ヨーロッパの基本サイズは近代では15号 ( 65 x 54 cm)であります。日本では良く「1号いくら」と言いますがフランスでは15号のサイ ズの価格を標準にしている場合が多く見受けられます。ちなみに10号の作品は1号の価格 x 10倍ではありません。
注:<<各国で若干サイズは異なります、またサイズは通常(縦)x(横)で記すのが習慣であります>>


3 署名の有無
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 作家の死後アトリエに残された作品の中には署名がなされていないことも多くそれらの作品には法的に登録されたスタンプが押されることがあります。作品の表に署名のように押される場合(シャガール、ルノアール、他)、作品の裏側に押される場合(モネに見られることがあります)。これらの署名は通常の署名と区別するためにアトリエサインと呼ばれています。そして、このアトリエサインの作品は価格が若干低く評価されることもあります。しかし、ゴッホのように署名がほとんどされていない作品、または作家が家族を描いた作品で作家のもとに所蔵していた作品などにも署名がされていない場合が見受けられますが署名の有無はこれらの作品の評価金額には影響を及ぼしていません。


4 市場に存在する作品の数
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 美術作品の価格も当然のことながら需要と供給の関係に基ずきます。藤田嗣治と親交の深かったモジリアニの作品はその典型であります。製作点数が400点にも満たないモジリアニの作品は毎年平均6〜8点しかオークションに出品されません。さらに人気の高いモジリアニの作品は毎年どこかの美術館に収蔵されてしまいます。世界にはどれほど多くの美術館があるのかを想像してみて下さい。1986年のモジリアニ平均落札価格は約250万米国ドルでしたが、2004年では930万米国ドルで、年間落札合計の比較ではそれぞれ約770万米国ドル及び4,650万米国ドルでした。
他方、ブラマンクのように毎年70〜90点の油彩作品がオークションに出品される多作の作家ではことなる状況があります。ではなぜ、毎年50〜90点の油彩作品がオークションに出品されるピカソの落札金額は異常なまでに上昇するのでしょうか?


5 作品の保存状態
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 印象派の作品も多くの作品が100年をすぎようとしています。もともとカンバスに描かれた油彩作品はかなり丈夫なものです。水につけて処理をすると油彩部分をカンバスから取り外すこともできるぐらいです。ですが、古くなった麻カンバスも”突き刺す”ようなダメージにはすごく弱いものです。過去に展覧会に出品されていた藤田嗣治の大作の一つ「優美神」は観客の一人が傘先で突き刺し穴を開けてしまいました。私はこの作品の修復の後を見る機会がありましたが1947年の作品で、120号あるしっかりとしたカンバスでありましたが無惨にも裏からは傘のお先程度の部分に修復がなされていました。
このようなひどい取り扱いを受けることはめったにないでしょうが、油彩作品も長い年月の間に絵の具がよごれ、剥離、変色、ひび割れ、収縮、カビ、その他の損傷を受けるため過去に何度か作品の洗浄、修復が施されているでしょう。さらにカンバスの状態によっては新しいカンバスを裏から”蝋”などを使い貼付ける補強が施されます。これは”裏打ち”と呼ばれています。これらの保存状態は作品価格に大きく影響します。


6 作品の来歴
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 作品の来歴もまた作品の評価金額に影響いたします。最も簡単に知る方法ではカンバスの裏、木枠、額縁の裏側等に張られたシールがあります。展覧会に貸し出された時に展示された美術館のシール、その時点に作品の運送を請け負った美術運送会社のシール、通関時に押された通関のスタンプ、さらにオークション会社のシールなどが見られる場合があります。もちろん作品に関する文献、資料を調べることも必要であります。最近の国内市場ではこれらシールのニセ物が張られていたこともありますので注意が必要です。
作品の表だけではなく裏側からも多くのことを知ることができるのです。


7 カタログレゾネ
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 一言で言えば「絵画全集」でありますが、普通の全集とは異なり可能な限りの作品の写真及び内容を収録した絵画全集をフランス語でカタログレゾネと言います(簡単にレゾネと言われることが多い)。最も有名なものにピカソの作品を収録した「ゼルボス」と言うカタログレゾネがあり全部で34巻から成り立っています。同じ作家の作品でもレゾネに記載されている物の方がより説得力があります。オークションに出品される点数ではピカソにもひけをとらないヴラマンクのカタログレゾネはまだ完成されていません。
作品がカタログレゾネに収録されているか否やも市場価格に影響を及ぼす一因であると言えます。


8 額縁は新しくピカピカの物が良いのでしょうか?
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 有名作家の有名作品は私達よりも100年以上に渡って世界中を旅しています。中にはヒットラーに略奪され、山の中に隠されて最近やっともとの所有者にもどった作品もあります。当然額縁が痛んでしまったものもありますが古いオリジナルの額縁は作品の来歴を物語る大事な作品の一部ですから作品同様に保存することが大事であります。

ーその他の要因


9 絵画投資は成り立つのでしょうか?
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 有名作品の多くの作品は特別な例外をのぞき”作者のアトリエ”を出てから価格は上昇の一途をたどっています。他方、金の国際相場は1980年のピークを最後に250〜500米国ドル/1オンスを3〜5年の周期で上下しています。

資料 : www.ginzatanaka.co.jp/ginzatanaka/

 
また、確認してませんが「フランスに存在する全ての絵画をフランスの全ての家屋の壁にかけてもまだあまりあまるほど絵画がフランスにはある」と聞いたこともあります。しかしながら、私は「絵画の市場価格は実に多くの要因から成り立っていますが有価証券以上にある時点でそれなりの十二分に信頼できる適正価格があると考えています。市場規模を見てみますとヴラマンクの20年間に於ける落札合計は約2億3千万ドル(約300億円、<格年の為替レートで計算>)、一方ピカソでは18億3千万ドル(2,257億円、<格年の為替レートで計算>)であります。これらが何を意味するのかは一目瞭然であります。
もうずいぶん前のことですが、ロンドンで世界有数のコレクター(画商)と二人でDr.ハーマーが亡くなったTVニュースを見ている時に「ミスター ナカコミ、なぜ日本の画商は絵画ビジネスで損をするのですか?」、少し返事にとまどっている私に彼は「絵画ビジネスは損をすることが難しい数少ない商売の一つなのです、、、ナゼ」と付け加えました。
これが、絵画投資の答えではないかと思っています。
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note : 落札データは欧米主要オークションのものであり、日本国内のオークションデータは含まれていません。また、落札価格はオークション会社の手数料を含んだ数字であります

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